ハンドメイドの必需品「チャコペン」!
水で消えるタイプや自然に消えるタイプなど、いろいろな種類があります。
それぞれで使い勝手が異なるので、作るアイテムや生地に合わせて適切なものを使うのが基本!
ここでは代表的な数種類のチャコペンを試してみて、使い方や消し方をレポートしていきます。
こんなにたくさんあるの?!チャコペンとは
チャコペンとは、お裁縫で使用する、印付けの道具です。
印付けの道具「チャコ」のペン型なので、チャコペンといいます。
- 鉛筆型
- シャーペン型
- 水や熱で消える
- 自然に消える
- チョーク(粉末を固めたもの)
- シート状(チャコペーパー)
などいろいろな種類があり、手芸店はもちろん、ダイソーやセリアといった100円ショップで手に入るものもあります。
ペンの太さは、太・細・極細などさまざま。色もピンクや青、紫など商品によって異なります。
この中で使用方法が異なるのが、シート状のチャコペーパー(複写紙)。
チャコペーパーはインクの付いた薄い紙で、布に重ねて上からなぞることで、印をつけることができるアイテムです。
お洋服作りで型紙を移すときは、「ルレット(ローラーがついていて、コロコロ転がすアイテム)」で、刺繍図案を移すときは「トレーサー(ボールペン型の複写アイテム)」をセットで使います。
そもそも、チャコとは?
チャコとは、英語の「チョーク(Chalk)」が訛ったものとされています。
もともとハンドメイドの印付けにはチョークが使用されていたので(現在でも使われています)、それが「チャコ」と呼ばれるようになり、今ではペン型やシート型などいろいろな形で販売されています。
種類別!チャコペンの使い方&消し方
チャコペンはいろいろな種類があり、アイテムごとに消し方が異なります。
間違った使い方(消し方)をすると、いつまでも消すことができないので、注意してくださいね。
ここではチャコペンを実際に使ってみて、消すところまで試してみます!
手芸店で買える、6種類を試してみました。
※掲載している価格は2022年4月時点のものです。すべて税込表記です。
定番!色鉛筆型のチャコペンシル
まずは定番のこの鉛筆タイプ。学生時代にお裁縫セットに入っていた!という人も多いのでは?
色はピンクや水色などがあり、色鉛筆とよく似ていますが、色鉛筆よりも芯が柔らかいのが特徴です。
鉛筆タイプのチャコペンシルを削るときは、鉛筆削りは使わず、カッターナイフやチャコペン専用の削り器を使用します。
鉛筆や色鉛筆よりも芯が柔らかいので、鉛筆削りを使用すると芯が折れやすいので注意しましょう。
さっそく書いてみましたが…めちゃくちゃ薄い!
もちろん筆圧にもよりますが、一筆書きではほとんど見えず、何度も上から重ねる必要があります。
ニット生地など伸縮性のある生地は、生地自体を傷める可能性があるので向いていなさそうです。
鉛筆型のチャコペンシルにはこのようなブラシがついていますよね。
このブラシでチャコペンを消せるものだと思っていたのですが、、消えません!
こすってみても、ちょっと薄くなった…かも??くらいで、完全に消すことはできないようです。
鉛筆型のチャコペンシルの正しい消し方は、中性洗剤や洗濯石鹸による手洗い。
今回はウタマロクリーナーを使用しました。
チャコペンで線を描いた生地を軽く濡らし、中性洗剤でやさしくこすり洗いをします。
きれいさっぱり!チャコペンシルの線が消えました。
- 線はかなり薄付き
- ニットやウール生地には向いていなさそう
- 付属のブラシでは消せない
- 中性洗剤を使用するときれいに消せる
- えんぴつ削りは使用できない(芯が柔らかいので、折れる可能性)
水で消えるタイプ
こちらは水で消えるタイプの水性チャコペン。
ペンの両側で、太い線と細い線が描けるようになっています。
発色もよく、描きやすいです。
水性チャコペンなので、ササっと描かないと布にインクがにじんでしまいますが、後から消せるのでまあ問題ないはず!
水をしみ込ませた綿棒で、トントンと叩くようにして線を消していきます。
水は結構びしゃびしゃにしたほうが、すぐに消せます。
おー、水できれいに線が消えました!
…と、思ったら、15分も経つと線が復活してしまいました。
う~ん。。にじんでるし…。
ちなみに水で消えるタイプのチャコペンは、この後紹介する「消しペン」で消すこともできましたが、同じように時間が経つと色が復活してしまい、完璧に消すことはできませんでした。
- 発色がよく書きやすい
- さっと書かないと、布ににじむ
- 水で消えるが、すぐに色が復活してしまう
- 消しペンでも消えるが、すぐに色が復活してしまう
水で消えるチャコペンはどうやったら消せるのか、格闘の続きはコラムの後半で!
消しペンで消えるタイプ
こちらは、付属の消しペンを使うか、自然にも消えるタイプのチャコペン。
水で消すこともできます。
今回試したチャコペンの中では、最も発色がよかったです。
描きやすさもいい感じ!
ただし水性チャコペンなので、ペン先を動かさないとにじんでしまいます。
付属の消しペンで、線を消してみます。
チャコペンで描いた線の上を、消しペンでなぞります。
めちゃくちゃきれいに消えました!すごい!
時間が経っても、色が戻ることもなく優秀!
チャコペンがついていなくて、消しペンだけのアイテムも購入できるので、水性チャコペンを使っている方は一本持っておいてもいいかもしれません。
- 発色がよく書きやすい
- さっと書かないと、布ににじむ
- 消しペンでかなりきれいに消える
- 広範囲を消しペンで消すのは面倒かも
自然に消えるタイプ
こちらはさっきと同じチャコペン。
今度は、自然に消えるのを待ってみようと思います。
翌日の様子。少し薄くなってますが、まだ線がしっかりと見えています。
描いてから3日経った様子です。かなり薄くなって、線はほとんど見えなくなりました。
5日後にはほとんど消えました!
- 発色がよく書きやすい
- さっと書かないと、布ににじむ
- 3日後には線がほとんど見えなくなり、5日後にはきれいに消える
- 放っておけば勝手に消えるので、らくちん!
アイロンの熱で消えるタイプ
次は、アイロンの熱で消えるタイプのチャコペンです。
クロバーのこちらの商品は、黒い生地や濃い色の生地にも描ける、白インクのチャコペンになっています。
水や自然に消えるタイプと似ていますが、水性ボールペンなので、布ににじみにくいようです。
書きやすいし、発色もいいかんじです。
生地によっては、描いた直後は線は見えず、30秒ほど経つとじんわりと浮き出てきました。
チャコペンのパッケージに詳しい消し方が書いてなかったので、適当にやってみます。
一応あて布をして、アイロンの温度は中温に設定。
実際に使用するときは、生地に合わせてアイロンの温度を決めてくださいね。
アイロンを当てて、線を消します。本当に消えるのかな~?
おお!きれいに消えました!
お洋服や小物作りで、仕上げにアイロンをかけることは多いですし、ついでにチャコペンの線が消せるのはとってもいいですね。
ただし今回使用したクロバーのアイロンチャコペンは、白しか販売されていないようで、黒地や濃い色の生地にしか使えないのが残念な点です。
- ボールペンタイプで描きやすい
- 発色も問題なし!黒色や濃い色の生地でも見やすい
- アイロンの熱できれいに消える
- 白以外の色は無い?
三角チャコ(チョーク)
最後に試すのは、チャコペンではなく昔ながらのチャコ。チョークです。
写真右上にあるのは、チャコ削り。チャコの先端が丸くなってきたときに削るアイテムです。
クレヨンやクーピーのような描き心地です。思ったよりもスルスル描けます。
三角チャコも、一番最初に紹介した鉛筆型のチャコペンシル同様に中性洗剤で消します。
布に軽く水を含ませて、やさしくこすり洗いしてみました。
きれいに消えました!
チャコペンに比べると「めちゃくちゃ使いにくそう…」と思っていましたが、意外と書きやすいし、きれいに消えるのが好ポイント!
とはいえやっぱり、ペンタイプのチャコよりも線が太くなってしまうので、刺繍など細かい図案を写すときには向かないかなと思います。
お洋服の型紙写しなど、大物を制作するときにはおすすめできます!
- 意外と描きやすい
- 線が太くなるので、繊細な図案には向かない
- 中性洗剤でできれいに消える
チャコペンが消えない…取り扱いの注意点
チャコペンは、そのペンに合った正しいやり方で消さないときれいに消すことはできません。
どうしてもチャコペンが消えない!という場合は、以下を確認してみましょう。
消す前のアイロン・ドライクリーニングはダメ!
チャコペンが消えない原因の一つが、アイロンによる熱です。
チャコペンを消す前にアイロンやドライクリーニングをすると、熱でインクが定着し、線が消えづらくなります。
チャコペンを使う前に、試し描きをしよう
生地によっては、チャコペンが消えにくかったり、インクがにじんだりする可能性があります。
また保管期間や保管状態によって、消えやすさが異なります。
チャコペンを付けたまま長期間放置していたり、生地同士を重ねて保管していたりすると、消えづらくなります。
シルクなどデリケートな生地を使う場合や、大切なアイテムを手作りする場合は、事前にハギレなどでチャコペンの試し描きをしてみることをおすすめします。
水で消えるチャコペンが消えない!復活する!完全に消すまでの実験結果
水で消えるチャコペン(チャコパー)が消えない!色が復活する!!ということで、何回繰り返せばきれいに消えるのか、実験してみました。
水で消した場合と、消しペンで消した場合の両方を調査していきます!
実験の結果、水で消して乾かして…と7回繰り返しても、まだ若干インクが残っていることがわかりました…。ぜんぜん消えない!
とはいえ、繰り返し消すことで徐々に薄くなっていくようです。
メーカーによってはちゃんと消える
チャコペンのメーカーによって、消えやすさに差があるようです。
残念ながら「チャコパーTwin青(チャコペーパー)」は全然消えませんでしたが、「チャコエース 消しペン付き・紫(アドガー)」は1回だけで消えました。
最初はぜんぜん消えずインクがにじむだけなんですが、上から重ねると消えます。
消しやすさ(即効性)だけで言えば、チャコパーのほうが消しやすいです。
時間が経って生地が乾いても、色戻りなし!1回できれいに消すことができました。
水で消えるチャコペンを使いたい方は、「チャコエース 消しペン付き・紫(アドガー)」をおすすめします。
付属の消しペンでも消えますし、放っておいても自然に消えるので使いやすいですよ。
フェルトやウールなど、書きにくい生地におすすめのチャコペン
フェルトやウールなどの起毛生地は、チャコペンで線が描きにくいですよね。
今回は4つのチャコペンで描き心地を実験してみました。
● 鉛筆型チャコペンシル(チャコペン赤/KAWAGUCHI)
<描きやすさ:★☆☆>
何度も上からなぞらないと線が見えないので、生地がボロボロになる。
● 水で消えるタイプ(チャコパーTwin青/チャコペーパー)、自然に消えるタイプ(チャコエース 消しペン付き 紫/アドガー)
<描きやすさ:★★☆>
描きやすいが、どちらも水性ペンなので、ティッシュなどで押さえないと手にインクが付く。
● 三角チャコ(クロバー)
<描きやすさ:★★★>
想像以上に描きやすい!でも太い線しか描けない。
結局どれがおすすめ?チャコペン比較表
商品 | 消し方 | 特徴 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
チャコペン 赤 | 中性洗剤・洗濯石鹸 | 安い! 少し描きにくい、消すのもやや面倒 | ★☆☆ |
チャコパーTwin 青 | 水で消える | 描きやすいが、何度繰り返しても消えない | ★☆☆ |
チャコエース 紫 | 消しペンで消える | 描きやすいし、すぐに消せて楽 | ★★★ |
チャコエース 紫 | 自然に消える | 3~5日で消える。放置でいいので楽 | ★★★ |
アイロンチャコペン | アイロンで消える | 描きやすいし消しやすいけど、白のみ? | ★★☆ |
三角チャコ | 中性洗剤・洗濯石鹸 | 起毛生地も描きやすいが、細かい線は描けない | ★★☆ |
使用感はkoshirau編集部の個人の感想です。
消し方が同じチャコペンでも、使用する生地や商品(メーカー)によって使用感は異なります。
手芸好きがおすすめ!使いやすいチャコペンはコレ!
さて、ここまでは消え方の異なるチャコペンを実験してみました。
じゃあ実際には、みんなどんなチャコペンを使っているの!?ということで、生地通販ショップ「nunocoto fabric」のスタッフに愛用中のチャコペンを教えてもらいました。
水で消えるも買いましたが、えんぴつタイプにもどりました。
あとは、文房具のフリクションは熱で消えるので使っています。洗わずに消えるので、撮影の時など便利です~。
水で消えるタイプは乾いたら浮き上がるし、色鉛筆みたいなやつは見にくく消えにくいので、消去法で…。
濃い色の生地には、鉛筆タイプの白チャコペンを。
しっかりと線を描きたいとき(仕上がりに影響が出ない部分)は、色鉛筆や普通の鉛筆も使用するなど、使い分けています。
自宅にいるときは、すぐ手が届くところにあるので使いがちですね。
水で消える、っていうやつ、消えません!泣
ふむふむ、みなさんいろいろなチャコペンを試して、使いやすいものにたどり着いたってかんじみたいですねー!
商品によって描きやすさや消しやすさが異なりますし、チャコペンは消耗品なので、いろいろなアイテムを試してお気に入りを見つけてみてくださいね。
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