編み物を始めるときのお楽しみといえば、毛糸選び!
「ふわふわで、柔らかい肌触りのものがいいな」と思っても、実は毛糸にはたくさんの種類があって、太さや素材、毛の長さなどが異なります。
素材によって金額も大きく異なり、100均で買える安い毛糸もあれば、1玉3,000円以上する高級品も!
ここでは編み物初心者さんに向けて、毛糸の種類の基礎知識をご案内します。
【毛糸の種類①】素材の違い
毛糸の素材は大きく分けると、3種類あります。
- 天然素材(ウール、コットン、麻、バンブーなど)
- 化学繊維(アクリルなど)
- 半合成繊維(ビスコース、モダールなど)
それぞれの素材に特徴があり、何を編みたいか?によって選ぶ素材が変わってきます。
ウールは軽くてあたたかく、色や種類が豊富です。寒い季節には欠かせない素材ですね。
コットンはウールに比べると少し重さがありますが、扱いやすくて丈夫な素材です。
麻(リネン)は、さらっと乾きやすく、気持ち良い素材ですね。
アクリルは値段がお手頃な素材で、100均などでも手に入ります。クリスマスのオーナメントなど、季節の小物を作るのにもよいです。
編み物初心者さんなら、ウールかアクリルの毛糸が扱いやすいですよ。
毛糸の代表素材「ウール」の種類と違い
さらにウールには、メリノウール、ラム、カシミヤ、アルパカ、アンゴラ…などなど、たくさんの種類があります。毛糸の産地を巡っていくと世界旅行ができそうなほど!
代表的なウールの素材を紹介します。(注:それぞれの毛糸玉で素材の個体差があります。)
メリノウール
代表的なメリノウールは、主にオーストラリア・メリノという羊の毛のことをいい、扱いやすく、太さの種類も豊富です。染色性がよく、色落ちがしにくいのも特徴です。
同じメリノ種でも、生後6〜7ヶ月以内の子羊から刈り取ったものはメリノ・ラムと呼ぶそうです。
モヘア
アンゴラ山羊の毛。アメリカ、トルコ、南アフリカが有名です。
価格を抑えるため、アクリルなどがブレンドされたモヘアの毛糸玉をよく見かけます。
カシミヤ
カシミヤ山羊の毛。インドやネパールのヒマラヤ山脈に生息するカシミヤを特にパシュミナと呼びます。柔らかく光沢があり、高級な素材です。
アンゴラ
アンゴラうさぎの毛。長く白い毛が特徴。一羽から得られる量が少ないため高級です。
アルパカ
ラクダ科リャマ属のアルパカの毛。ペルーやボリビアに多く生息します。
繊維の中央が空洞になっていて、軽くて保湿性があり、あたたかい空気をためることが特徴です。
ヤク
ヤクは主にインド、チベット、パキスタンなどの高地に生息している動物。軽くて保湿性に優れています。
獣毛は値段が高い
よく知られている、モヘヤ、カシミヤ、アンゴラ、アルパカなどは獣毛に分類されます。
これらの獣毛は、動物の産毛を使うので、特有の柔らかさがあり高級素材として有名です。
またそれぞれの素材特徴を生かして、ブレンドされた毛糸もたくさんあります。
素材のいいとこどり!混紡糸もオススメ
ウール100%以外にも、複数の素材を混合することで、素材の風合いを活かしつつ、初心者さんでも扱いやすくした毛糸もたくさんあります。
コットン×シルク
シルクは編むときに独特のきしみ感がありますが、コットンとミックスしている糸を選ぶと扱いやすくなります。
アクリル×ラムウール
ラムウールは、メリノウールの中でも、生後6ヶ月までの子羊から刈り取られる羊毛のこと。しなやかで保湿性が高いという特徴があります。
柔らかくふんわりした肌触りが特徴ですが、希少性が高いため、なかなか見つけることが難しいのがデメリット。
その点、アクリルとブレンドされた毛糸なら価格も抑えられて、手に入れやすいです。
ウール×アクリル
ウールとアクリルの混紡糸はたくさんありますが、個人的にお気に入りなのが、ニットデザイナーの「風工房」さんが色味を監修されたシリーズの糸です。
(風工房さんのデザインはいつも色合わせが素敵なんです。たくさん本を出版されています。ぜひ手にとって欲しいです!)
ニュージーランドウールにアクリルがブレンドされて、使い勝手がよくなっています。風工房さんが好きだという、ブルー系やグリーン系の色数が豊富に揃っています。
【毛糸の種類②】太さの違い
毛糸の太さは、極細、中細、合太、並太、極太、超極太、に分類されています。
また棒針にもさまざまな太さがあり、0号〜15号(2.1mm〜6.6mm)と、7mm〜20mmの超極太針があります。
そして、それぞれの棒針に適した太さの毛糸があります。
0~15号までは「号数」で表し、数が増えるにしたがって針が太くなります。15号よりも太い針は、「mm」で表し”ジャンボ針”とも言われます。(7mm~20mm)
細い糸の場合は、他の糸と組み合わせたり、2本取りにしたりして編むこともできます。
【毛糸の種類③】毛の長さ・形状の違い
毛糸の形状にも、バラエティ豊かな種類があります。
- ストレートヤーン:まっすぐな毛糸。最も一般的
- ループヤーン:くるくるとした、輪っかがついた毛糸
- モヘヤ:毛足が長く、起毛のある毛糸。ふわふわした触り心地
- ツイード:複数の色の糸を紡いだ毛糸。味わいのある風合い
- スラブヤーン:糸の太さが不均等な毛糸。糸のところどころに節がある
などなど…
同じ編み方で編んでも、糸の種類で全く違った表情になります。本当に奥が深い世界です。
糸自体に魅力があると、ついつい手にしたくなりますが、初心者さんですと「ストレートヤーン」が編みやすいのでおすすめです。
ひとくくりに「毛糸」と言っても、さまざまな素材や太さの違いがあります。今回は、編み物初心者さん向けに、毛糸選びのヒントをお伝えします。編み物初心者向けの毛糸はコレ!編みやすい毛糸の選び方「初めて編み物をする[…]
【毛糸の種類④】糸の「より」の強さの違い
少しマニアックな話ですが、糸の「より(撚り)」によって、編み地の特徴が変わってきます。
糸のよりが強いほど、切れにくく強度が増します。
例えばソックヤーンと呼ばれる靴下用の糸は、まさに「より」が強く、ほかの糸に比べて摩擦に強い丈夫な仕上がりになります。
反対に、ロービングヤーンと呼ばれる糸のように、ウールを一方向に緩くねじった、フワッとした糸もあります。
ロービングヤーンはやさしい風合いを楽しめますが、柔らかい編み地のため、毛玉ができやすいといった欠点があります。
編み地を作るときには、「より」方向に逆らわないように(よりを解かないよう)、糸を指にかけると、毛玉が出来にくい生地になるそうですよ!
毛糸選びは、経験者の声も参考に!
毛糸についての素直な疑問点があれば、手芸店の方に聞いてみてください。
見落としがちですが、仕上がった後の風合いを聞いてみることも大事なポイントだと思います。
残念ながら、使っているうちに風合いが変わってしまう毛糸もときどきあります。(毛玉ができやすい、伸びやすい、など。)
せっかく時間をかけて編むので、毛糸の品質について気軽に聞いてみましょう。
直接お店に毛糸を買いに行くのが難しくても、オンラインショップのレビューを参考にするといいでしょう。
どうぞ、最後まで楽しんで編みたくなる毛糸を選んでくださいね。
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