ハンドメイドで使う機会の多い、「マジックテープ」。
直線縫いだけで簡単に縫い付けられるので、ボタンやファスナーよりも気軽に使うことができますよね。
このコラムでは、マジックテープの種類や基本の縫い方、粘着が弱くなった時の対応など、お裁縫初心者さん向けに解説していきます。
こんなにあるの?マジックテープの種類
マジックテープというと、「細長い長方形のやつ」を思い浮かべますが、実はさまざまな種類があります。
- 長さ:15cm、20cm、1m以上 など
- 幅:20mm、25mm、50mm など
- 色:白、黒、赤、ピンク、黄色 など
- 形:よくあるテープ型、丸形、シート状の幅広タイプ など
- 縫製用:縫い付けるタイプ
- アイロン接着:縫わずにアイロンで付けるタイプ(布製品もOK)
- 粘着剤付(シール接着):粘着シールになっているタイプ(布製品には使えない)
- 強力粘着タイプ
- ソフトタイプ(ベビー用)
- オスメスが無いタイプ
一般に手芸店で手に入るものだけでも、これだけの種類があります。
長さや幅は、ハサミでカットできるので、迷ったら幅広タイプのものを買っておけば間違いないですよ。
一点だけ注意したいのが、「付け方の違い」!
シールがついている粘着タイプは、縫い付けることはできません。
厳密には縫い付けられるのですが、針に粘着剤がついてベタベタになってしまいます。
マジックテープを買うときには、この点だけ注意してくださいね。
面ファスナー?マジックテープの正式名称
マジックテープは、正式名称は「面ファスナー」と言います。
実は「マジックテープ」というのは、株式会社クラレの登録商標であり、アイテムそのものを指す言葉ではないのです!
クラレ以外のメーカーが、面ファスナーの商品名として「マジックテープ」と名乗ることはできないので、パッケージをよく見ると「マジックテープ」とは書かれていないんですよ。
もちろん、家族やお友達などと会話するときに「マジックテープ」という言葉を使っても、全く何の問題もありませんので、ご安心を。
(参考)マジックテープって、登録商標なの?言い換えの表現はどうすべき?【特許出願ラボ】
【ミシン】マジックテープの縫い付け方
ミシンでマジックテープを付ける場合のやり方を、2つ紹介します。
かんたんに縫い付けるバージョン
強度アップ!頑丈に縫い付けるバージョン
もっと頑丈に付けたい!という場合はこちらの縫い方がおすすめ。
マジックテープの周囲を縫い付けるのではなく、4本の直線と対角線の2本で、かなり頑丈に縫い付けています。
よく洗濯をするアイテムや、頻繁にマジックテープを開け閉めする場合は、こちらの縫い方もおすすめですよ。
【手縫い】マジックテープの縫い付け方
次に、手縫いでマジックテープを縫い付ける方法をご紹介します。
まつり縫い(たてまつり)と、本返し縫いの2パターンでやってみました。
どちらの縫い方でも構いませんが、本返し縫いの方が強度は少し上がりますよ。
なおマジックテープは硬いので、細い針だと力が入らず、針が折れてしまうこともあります。なるべく太い針で縫いましょう。
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【縫わない】マジックテープの付け方
ミシンは持ってないし、手縫いだと硬くて無理!という方は、縫わずにマジックテープを付けるしかありません。
アイロン接着のタイプを購入しなおすか、布専用のボンド(裁ほう上手など)や両面テープを使いましょう。
なおシールタイプの粘着マジックテープは、布に貼ることはできません。
生地表面の凸凹に密着できないので、貼っても取れてしまいますので、注意してくださいね。
マジックテープのオスメスについて(ループ面・フック面)
マジックテープは、柔らかい面と硬い面になっていて、呼び方を次のように区別しています。
- ループ面(メス、凹):柔らかくてふわふわしたほう
- フック面(オス、凸):硬くてとがっているほう
一般的には、バッグの蓋など、上からかぶせるほうに「フック面」を付けます。
とはいえ逆に付けてしまっても特に問題はありません。
フック面は、セーターなどお洋服ににくっついて生地を痛める可能性があるので、アイテムによって付ける面をよく考えましょう。
こんなときどうする?マジックテープのお手入れについて
生活の中でマジックテープを扱う上での、ちょっとした注意点をご紹介します。
洗濯しても平気?耐水性はあるの?
縫製用のマジックテープはもちろん、シールタイプやアイロン接着タイプも、耐水性があるので洗濯しても大丈夫です。
ドライクリーニングにも対応しています。
洗濯するときは、フック面(硬いほう)がほかの洗濯物にくっついて、痛める可能性があります。
マジックテープ同士を粘着させて、閉じた状態で洗いましょう。
アイロンを当てても平気?耐熱温度は?
マジックテープにアイロンをかけるときは、当て布をするか、裏面からかけましょう。
(株)クラレのマジックテープ「エコマジック」の場合、およそ30分間は190℃までの乾熱処理にも耐えられるそう。
なお粘着シールタイプは、40℃以上の高温になると粘着力が弱まります。
ホコリや髪の毛、糸くずなどが付いたら?
フック面には糸くずなどが付きやすく、見た目も汚いですし、粘着力も弱くなります。
マジックテープにゴミがついてしまったときは、つまようじで引っかくようにして、ゴミを取り除きましょう。
これだけでも粘着力が復活しますよ!
劣化して剥がれる!粘着は復活できる?
マジックテープが剥がれる!というときは、まずは先ほど紹介したように、糸くずなどのゴミをきれいに取り除いてみてください。
それでもダメなら、ループ面(柔らかいほう)をよく見てみましょう。
ループが摩耗して、ふわふわがなくなっているようだと、寿命の可能性があります。
残念ですがその状態だと粘着力を復活させることはできないので、新しいマジックテープに付け替えましょう。
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