お裁縫をはじめると、必ずといっていいほど出てくるのが「中表」という言葉。
初心者さんにはあまり聞きなじみがない言葉なので、どういう意味か分からない人も多いですよね。
このコラムでは「ソーイングを趣味にしたいけど、右も左もわからないよ!」という超初心者さん向けに、中表について詳しく解説していきます。
縫い物の、中表・外表とは?
2枚の生地を縫うとき、布の合わせ方によって「中表(読み方:なかおもて)」「外表(読み方:そとおもて)」という言葉が使われます。
どの向きで重ね合わせればいいのか、解説していきます。
中表の布の合わせ方
中表とは、生地の表面(柄がある面)が内側になるように合わせることをいいます。「中側」に「表面」なので、中表と覚えておきましょう。
2枚の布の、表面と表面を合わせればOKです。
中表で生地を縫うと、縫いしろが表面に出ません。
巾着袋やバッグなどのアイテムを作る際は、多くの場合「生地を中表に合わせて縫う」といった工程が出てくるので、必ず覚えておきましょう。
外表の布の合わせ方
外表とは、生地の表面(柄がある面)を外側にすることをいいます。「外側」に「表面」がくるので、外表です。
2枚の布の、裏面と裏面を合わせればOKです。中表の反対と覚えましょう。
外表に合わせて縫う機会はあまり多くありませんが、縫いしろの処理「袋縫い」をするときなどに使われます。
コースターを作りながら、中表の縫い方をマスターしよう!
中表に縫うことをしっかりと理解するために、コースターの作り方から縫い方を学んでいきましょう!
1.生地を中表に合わせて縫う
2.角の縫いしろを切り落とす
3.縫いしろをアイロンで割る
4.返し口から裏返す(表にひっくり返す)
5.角をきれいに引き出す
6.返し口を閉じる
コースターを作りながら、中表について詳しくご紹介しました。
生地を中表に合わせて縫う場合、「返し口からひっくり返す」という工程もセットで出てくることが多いです。
中表に縫い合わせてから表にひっくり返すことで、縫いしろが内側にすっぽりと隠れます。
縫いしろ(布端)のほつれ処理をせずに済むので、中表に縫うことが多いんですよ。
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生地の表と裏がわからないとき
中表に合わせるといっても、生地によってはパッと見で表裏がわからないことも多いですよね。
生地の裏表は見分け方がいくつかあるので、迷ったら次の部分をチェックしてみて下さい。
- 生地の耳
- ブランド名がプリントされていれば、文字が読める方が表
- 生地の耳
- 点々と穴が開いていれば、出っ張っている方が表
- 色合い
- 色が濃く鮮明なほうが表
- 起毛の様子
- 毛足が長い方が表(パイル生地など)
どの特徴もない場合は、好きな方を表面にしてしまってOKです。
生地の裏表を間違えたらどうなる?
生地の裏表を間違えて作り始めてしまっても、とくに問題ありません。(柄がある場合は別ですが…)
裏表がわかりにくい生地はたくさんありますし、好きな面を表として使って大丈夫ですよ!
布以外にも使うよ!いろいろな中表
中表に合わせるのは生地だけではありません。
ほかの材料でも使われる言葉なので、ついでに覚えておきましょう。
ファスナー
ファスナーは、スライダー(開閉するときに持つ部分)が見えている方が表面になります。
ファスナーと生地を中表にするときは、生地の表面と、ファスナーのスライダーが付いている面を合わせましょう。
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バイアステープ
バイアステープは、折り込んだテープ端が見えていない方が表です。
バイアステープを生地を中表にするときは、生地の表面に、開いたバイアステープの表面を合わせましょう。
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このコラムで使用した生地
- 価格:990円~/50cm
- 布幅:約110cm(プリント幅:約108cm)
- 素材:綿100%、綿75%麻25% ※素材や生地の厚さを選べます
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